画像解像度
デジタル画像を作成する際には、まずそのデータをどのくらいの解像度で作成すべきかを確認する必要があります。やみくもに大きく作る必要はありませんが、あまりに小さいデータでは印刷物のクォリティがさがります。適切な解像度で作らなくてはならないのです。ではどのくらいの数値で設定すればよいのでしょうか?
●解像度とは
解像度は、単純にいえば画像を構成するドット(粒・ピクセル)の数と、そのドットを表示させる密度の設定のこと。ドット数がたりないと印刷がぼやけ、解像度があっていないとサイズがフィットしない状態になる。
DPI は Dot Per Inch → 1インチあたりのドット数
DPCは Dot Per Centimeter → 1センチあたりのドット数
※ドットとピクセルはほぼ同じものとして解説
※よくテレビのコマーシャル等で高解像度!と宣伝文句に使用しているが、この場合はドット数のみのことを指しているので言葉の意味自体が違うので要注意。
●印刷用画像の基本解像度・最低解像度
印刷物用の画像データは通常、印刷(製版)サイズ1インチ(2.54センチ)につき350ドットが必要とされている。つまり10センチの印刷をしたいなら、以下のような計算になる。
10センチ角/2.54インチ×350=1400ドット(ピクセル)必要
この計算は、けっこうやっかいなので、以下のようにPhotoshop で操作するとラク。
イメージ/画像解像度で、使用印刷サイズ原寸サイズ と 解像度欄に350dpi と入力すれば適切なサイズでファイルがつくられる。ただし、元ファイルがこれより小さいものを拡大するのは劣化するので御法度だ。新規でファイルを作る、または巨大なサイズを縮小リサイズするときに有効だ。
目安としては 10センチあたり1400ピクセル、逆に作りたいたいサイズの センチに140ピクセルをかければ良いということになる。
心配だからと大きいデータサイズや、トリミングをせずにクリッピングマスクのとりあえず状態でバンバン使っていると、とんでもないデータ容量になって作業を遅くすることはいうまでもない。
●レーザー出力時の解像度
印刷物でないレーザープリンタの出力が最終形態となる場合は、ハードメーカーにもよるがおおむね200dpi で十分なようだ。ただし後から正式に印刷物にすることがないとも限らないので、どちらでも対応できるように(最低でも250dpi程度か)作っておくとクォリティも高く後からの作業時間軽減につながる。
●解像度設定のないソフト
3Dソフトなどでdpi設定ができない場合は 使用するサイズの1cmあたり140ドット程度の目安でドット数だけを設定し、作成した後に他アプリケーションで用途に応じてdpiを設定すれば印刷サイズにフィットするようになる。
●規定解像度以下でも印刷できる
絵柄によっては350dpi以下でもきれいに印刷される場合も多い。巨大なファイル容量と戦う負担が軽減されるので印刷業者に事前に確認すれば「250(dpi)もあれば十分です」などという返事が返ってくるケースもある。つまり印刷業者の出力環境にもよるのである。
●大判サイズの確認ポイント
印刷物がB2ポスターなどの大判の際に350dpiで作るのはしんどい。印刷サイズと製版サイズが必ずしも一致しているとは限らないので、これも印刷業者に製版サイズを確認する必要がある。たいていの場合はB3程度で製版し目のばししているため、入稿するデータは製版サイズのB3にあわせればよいことになる。
2008.12.15
2010.01.20 加筆